きっかけ
私は臨床経験6年の理学療法士です.6年間で働く場所は様々でしたが,その中でパーキンソン病の方をみさせて頂くことは多くありました.その中で,進行し介助量が少しずつ多くなっていくと,パーキンソン病の方とその介護者に当たるご家族の関係性が悪くなることが多々ありました.ある時お互いに穏やかな夫婦なのに,なぜこんなに関係性が良くないのだろうと思ったことがありました.介護者である旦那様が「なんでできないの?」や、「早くして」というのに対して,パーキンソン病の奥様は,黙っていながらも,急ごうとしているのに中々動き出せないというような状況でした.
このような光景はよくあり,私はいつもは見守っていましたが,この時は,いつもリハビリ内で行っているように手は貸さず,声かけだけしてみました.「おじぎしながら立ち上がってみてください.せーの!」というと,ずっと立ち上がれないでいたその方は,リハビリの時と同じように介助なくスムーズに立ち上がれたのです.声かけだけで立ち上がることができた奥様を見て旦那様は驚いていました.この時から,旦那様の負担にならない範囲で,できない理由や,介助方法,声かけの仕方を伝えるようにしました.そうすると徐々にそのご夫婦に笑顔がみられるようになり,会話も増えていました.
私はそれから,他のパーキンソン病とそのご家族(介護者)にパーキンソン病の症状や介助方法を少しずつ伝えるようにしてきました.ご本人と介護者の関係性が良くなると,症状が落ち着いてきたり,介護者の負担が減ることもありました.このような経験から,SNS を通じてパーキンソン病の介護者負担を減らすお手伝いができたらと思い,パーキンソン病についての情報を発信するホームページのアカウントを開設しました.
パーキンソン病は,発症から15~20年で寝たきりになると言われており,長期の経過を辿る場合が多いとされています.進行性疾患であり,運動症状から認知症などの非運動症状と様々な症状が出現します.これらのことから,本人やその介護者に当たるご家族は,不安や抑うつになる方が少なくありません.
そこで少しでも,介護者の負担が減らせられればと思いSNS を始めました.理学療法士としてはもちろん様々な角度からパーキンソン病の方とその介護者の方の力になれたり,ほっとできる場をつくれるように頑張ります.
よろしくお願いします!
みき
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